前回はNaturehikeのソロキャンプ向きテントを比較したのに続き、今回は中華ブランド以外に目を向け、やや価格帯をやや上げて3万円台を中心に、いくつかピックアップしてみました。
条件はソロキャンプ、徒歩キャンプ向き
裏庭が小さいので大きなテントは張れません。
それに、もしキャンプ場に行くとしても原則ソロなので、1人または2人用のコンパクトなものでまず篩いにかけます。
なので、一人用であってもコールマンのツーリングドームやモンベルのクロノス・キャビンといった大きめのものは最初から除外しています。
それから、本格的な山岳テントも除外しました。
ウルトラライト系はもともと想定価格帯から外れるのでこれは自然に脱落です。
というわけで結果的に、比較的コンパクトで、一泊程度の徒歩キャンプに持って行けそうなものが残ることになりました。
具体的には総重量3kg未満を基準にしています。
軽量化が進んだ現在の基準だと2kg台はやや重いと思われますが、ロングトレイルを数日かけて移動するような使い方ではなく、キャンプサイトで一泊を楽しむには許容範囲と考えました。
ただし、オートキャンプ場ではなく、テントを担いでサイトまで徒歩で移動するようなキャンプを念頭に置いています。
あまり軽くはないけどその分お財布には優しく、ということで。
今回ピックアップしたテント
-
モンベル クロノスドーム1型
-
MSR エリクサー1
-
キャプテンスタッグ トレッカー アルミテント2UV
-
ビッグアグネス シーバー2
-
ローベンス Starlight2
-
ニーモ Aurora Ridge 2P
MSRやニーモとキャプテンスタッグが同列に並んでるという謎チョイスですが、スペックだけ見るとまじめに比較してもおかしくないと思います。
価格はMSRのエリクサー1がやや高くて4万2,900円。ただしフットプリントを含みます。
いちばん安いのは意外にもモンベルのクロノスドーム1型で2万5080円。こちらはフットプリントが付属しません。
あとはローベンスのStarlight2が2万8,270円。ニーモのAurora Ridge 2Pが3万6,850円(フットプリント付属)。
キャプテンスタッグは定価3万9,600円ですが、実勢価格はかなり下がると思われます。
では、各モデルの気になるポイントをチェックしていきます。
クロノスドーム1型(モンベル)
クロノスドームの注目ポイント
-
簡単な仕掛けで空間容積を稼ぐ賢いフレーム構造
-
インナーのドアが全面メッシュ化できて開放的/気温・季節変化に対応しやすい
-
フライシート頂部のベンチレーターによる換気性能/背面は内部から開閉可能
-
新しくなったレインフライのパターンと色が好み(超個人的理由)
-
本格ブランド製品にしてはお手頃な価格
-
収納袋が幕本体とポール別々でパッキングしやすい
ここは要注意
-
純粋なバックパッキング用としてはやや重いかも
-
フットプリントは別売
- 大手ネットショップでは新型の取り扱いがない(旧型は値上がり)
モンベルのテントって、品質は定評あるんだけど、なんかピンと来ないという印象でした。
ところが、久々に調べてみたらムーンライトもクロノスドームもモデルチェンジしてて、特にクロノスドームの印象が変わり、気になるようになってきました。
なかでも目を惹いたのが、レインフライのパターンが変わったこと。
前室のペグダウンポイントがひとつに減ったことでトリムが変更されたのと前室部分を引っ張るタイダウン用タブがなくなったせいで印象が激変。
個人的には新型のほうが圧倒的に好みです。特にオレンジカラーがよい。
昔、マーモットのテントに憧れがあったからかもしれません・・・
レインフライのジッパーがど真ん中からややずれているのは、昔どっかの製品で見かけたような気もしますが。
昔から、クロスポールの構造は好印象でした。
基本X型フレームですが、頂点で交差するところがソケットになっていて、そこで横(右上の図だと上下)に広がる構造です。このおかげでリッジポールがなくてもある程度頭上空間を確保できます。
おまけにクロスポール全部が繋がっているので設営も簡単という賢いしかけ。
そのほかでは、レインフライ頂部の前後にベンチレーターがあること、インナーテントのドアがダンロップ/プロモンテのテントを思わせる直線ジッパーになっていること、さらにドアパネルの左右ともメッシュにできることなど、好印象ばかりです。
唯一気になるのは、インナーテント背面のメッシュが旧モデルより小さくなってしまったことです。前面側がこれだけオープンにできるので夏の暑さもなんとかなってくれるんじゃと期待はしてますが。
おまけにテント内からレインフライのベンチレーターを操作できますし。
それから、前面全体をメッシュ/フルクローズで使い分けられるのは、いろんな気候に対応できていいですよね。
ドアの直線ジッパーは、出入りするとき縦横2本操作する必要がありますが、閉じたときにジッパーの位置が常に一定なので探すのが楽というメリットがあります(ダンロップテントの受け売り)。
それと、ジッパーがカーブしていないので動きがスムーズでトラブルになりにくい(同じくダンロップテントの受け売り)。
昔は幅120cm以上あるテントに拘ってたので2人用を基準に選んでたんですが、いまは一人用でもそれなり幅があればいいやと割り切れるようになりました。
あとクロノスドーム2で嫌いだったのが、2人用なのに両面ドアじゃなかったところ。
これは今でも変わらないようですが、1人用なら気にしません。
ただし、前のモデルでは前室部分が台形で2ヶ所ペグダウンしていたのに対し、新型は3角形なので前室の有効面積は多少減っていると思われます。
あとこのテントの魅力は、モンベルというブランドにしては案外お手頃価格なところ。
ムーンライト1型に比べてもクロノスドーム1型は5000円以上安い。
中華製テントでもそれなりのものは2万円近くしますから、モンベルブランドでこの価格なら充分検討に値すると思ってます。
ただし、フットプリントは別売なのでそこは要注意ですけど。
2022年9月現在、Amazonや楽天市場ではクロノスドーム1型最新モデルが商品登録されていません。
検索でヒットするのは旧モデルばかりで、値段もかなり高くなっています。
エリクサー1(MSR)
エリクサー1の注目ポイント
-
空間容積が大きく、頭上が広々したフレーム構造
-
アジアの気候に合わせたメッシュ量とベンチレーターの追加
-
フットプリントが付属
-
インナーテントなしで自立シェルターとして利用可
-
正規輸入品にはしっかりした保証がつく
-
MOSSテントへのほのかなノスタルジー(超個人的)
ここは要注意
-
バックパッキング用としてはやや重い
-
(中華テントとくらべちゃうと、やっぱり)やや高価
MSRの中では比較的低価格で手を出しやすいのがエリクサーシリーズ。
とはいえ今回のラインナップでは最も高価ですけど。
カクカクしたパネル構成(?)、特にこの配色だと前室部がカモノハシみたい。
ドアパネルをまとめるためのループが鼻の穴に見えてしかたありません。
正直この恰好はあまり好みではない・・・。
これのせいで、ヨーロッパ限定カラーのグリーンを好んだ人も多いんじゃないかと思います。
ところが2022年モデルではアジア限定でタン(サンドベージュっぽい?)カラーが登場するそうで、見かけの鴨臭さがずいぶん抜けて、興味が持てるようになりました。
レインフライを取ってインナーテントだけになると、うお座型をベースにしたフレーム構成が、なつかしのMOSSテントの香りをかすかに残しています。
特に天頂部のメッシュはそそりますね。
また、アジア向け仕様ではメッシュの面積を小さくする代わりに、フライに2ヶ所のベンチレーターを設けて換気性能をアップしているそうです。
その辺は、下記の動画で詳しく解説されているので参考にされてください。
2ヶ所でクロスするうお座型フレームにリッジポールがクロスする構造のおかげで、空間容積がかなり大きくなっています。
うお座型フレームは風には弱いというのが一般論ですが、その一方で2ヶ所でクロスするので全体の強度はハバハバのようなダブルY+リッジポールより高いというのがメーカーの見解だそうです(上記動画より)。
容積を確保できる一方で、一般的なX型よりポールが長くなり、幕体の面積も増えることで重量増を招くのがこの形式の弱点。 テントのコンセプト自体も特に軽さを追求していないので、総重量は2160gといまどきのバックパッキング用としては重めです。
その代わり生地ははしっかりた丈夫なものを使用しているので長く使えそう(防水コーティングの耐久性は最新のエクストリームシールドには及ばないそうですが)。
フロアは2.18m×0.84m。一人+荷物を少し、という感じでほどほどの広さというのが妥当なところでしょうか。
価格は4万越えで決して安くはありませんが、海外製テントにしてはフットプリントが付属しているところはお得感があります。
正規品は保証がしっかりしているので、その点は安心。多少お高いのもやむなしというところでしょうか。
2022年新色のタンカラーは、まだオンラインショップにあまり登録されていないようです。
トレッカー アルミテント 2UV UA-61(キャプテンスタッグ)
トレッカー アルミテント2UVの注目ポイント
-
空間容積を大きくとれるフレーム構成
-
フルクローズもできる4ヶ所のメッシュパネル
-
2ヶ所のベンチレーターで換気性能を確保
-
強度と耐久性を期待できる厚めの生地
ここは要注意
-
徒歩キャンプには大きめ&重め
-
定価はやや高め(値引きに期待)
庶民の味方、鹿番長(この呼び方一般にまですっかり定着してますね)ことキャプテンスタッグのツーリング向きテントです。
ソロ用もラインナップされてるんですが、レインフライのドアの開き方とベンチレーターの見た目が・・・。
ということでもし自分で買うなら絶対に2人用と思ってます。
フレーム構成を見ると、ダブルY型フレームに直交する短いリッジポールが入ってます。
よく似た構成のテントだと、NaturehikeのCloudup2がありますが、あちらはクロスポールはありませんから、テント頂部は尖っていて急激に狭くなります。
その代わりといってはなんですが、Cloudup2は短辺側が出入り口なのでそちらの方が背が高く、そこで天井部分の広さを少しだけ稼いでいます。
この鹿番長テントは形式こそ同じダブルYフレームですが、長辺側に出入り口があるぶん両側の高さは控えめ。
その代わりリッジポールが入っているので、頭上空間はゆとりがあると想像されます。
室内空間の実質的な広さを求めるならお奨めです。
フロアは長方形で奥行きが135cmと、一般的な2人用テントと比べてもやや大きい方です。
このテントで大注目したいのが換気性能。
インナーテントの写真だけではわかり辛いんですが、メッシュ部分が4ヶ所あり通気性はかなり期待できそうですが、実はそれだけではなくどうやらメッシュ部分をすべて閉じることができる2重生地のようです。
こちらの動画レビューを参考にさせていただきました(この動画、モンベルのクロノスドーム2と詳しく比較しているのでその点でもお奨め。できれば全編通して見ることをお奨めします)。
弱点としては、パッキングサイズが大きく、重量もやや重めなこと。
あとはなんとも味気ないモデル名でしょうか。他人に使っているテントを尋ねられて答えるときちょっと気が引けますね。
それとこのテント、定価はかなり高めです(税込み3万9600円)。
ただ、そこは鹿番長の強み、店頭での実勢価格はかなりお手頃になりそうなのでそこに期待ですね。
バイクツーリングで居住性を求める人には特にお奨めだと思いました。
シーバー2 (ビッグアグネス)
シーバー2の注目ポイント
-
短辺型出入り口
-
2人用でもリッジポールで頭上空間を確保
-
総重量1.81kg
-
海外ブランド品にしては比較的安価
ここは要注意
-
生地のスペックが不明
-
公式フォトなのにフライにしわが多い・・・
-
Yフレームの接合パーツが心配
- Amazon、楽天市場では取り扱いなし(シーバー3は取り扱いあり)
超軽量のフライクリークで知られるビッグアグネス。 もう少し一般的なラインでは、廉価版だったジャックラビットとかが廃番になって、ハイグレードのコッパースプールに完全シフトしたのかと思ってたら、スーパーライトのカテゴリにこんなのを見つけました。
シーバーってどんなスペルなのか気になって調べたらC BARなんだそうです。どういう意味なんでしょうか?
フライクリークをベースにしたダブルY型フレームですが、リッジポールで頭上の空間容積を稼いでいます。
フレーム構成はNaturehikeのCloudup2とも似ていますが、あちらは2人用だとリッジポールがありません。
それに対してこちらはリッジポールあり。
もともと短辺側が出入り口でで片方のY字が大きい上に、近くにリッジポールが入ることでそこそこ広そうなのが期待がもてます。
ビッグアグネスのテントで昔から気になるがY型フレームを接合する部分のパーツ。
他社ではアルミ製がほとんどだと思いますが、ビッグアグネスでは廉価モデルに以前からプラスチックを使っているような記憶があります。この部分の耐久性が気になるところです。
フロアは台形でドア側は132cm、反対側が107cm。頭頂部側の高さが104cmと割と高いのも特徴です。
前室は台形で奥行き61cmあるので、雨天でもちょっとした調理などそこそこ使えそう。
重量は1.81kgと今回紹介するなかでは最軽量。
国内価格は税込みで3万800円と、舶来品にしてはなかなかお手頃です(本国では$199.95)。
Big Agnesはなぜか生地の素材だけで厚み(繊維の太さ)の記述がありません。68Dとか20Dとか、アレが書かれていないので判らない。
2022年9月現在、Amazonや楽天市場ではシーバー2の取り扱いが見当たりません。1サイズ大きいシーバー3のみとなっています。
Yahooショッピングでは購入できます。
ちなみにBig Agnesには同価格でBlack Tail2というテントもありますが、重量が2.24kgとやや重い(今回紹介している中ではふつうですが)。
完全ソロで使うなら、シーバー2のほうが魅力的じゃないかと思います。
Starlight2(ローベンス)
Starlight2の注目ポイント
-
シングルフープ式非自立型
-
サブポールで4隅の高さを確保
-
ベンドポールで頭上空間を確保
-
スリーブ+吊り下げ式のフライシート
-
インナーテントを取り付けたまま設営可能
-
この形式には珍しい、フライ頂部のベンチレーター
-
群を抜く耐水性能
ここは要注意
-
フロア、前室ともやや狭め
-
バックパッキング向けとしてはやや重い
- 大手オンラインショッピングでは取り扱いなし
構造的にはトンネルテントの一種ですが、メインポールが1本だけ。両端は短いポールで立ち上げることで軽量化しています。こういうのは特にシングルフープ型などといいます。
元々この形のテントが好きで、最初に目を付けたのは別の製品でしたが、換気性能に難点がありあそうだったのでさらに調べていくと、このテントに行き当たりました。
Starlightはメインポール(フープ)を丸くしならせるだけでなく、頂点に近いところで少し曲がったベンドポールになっています。
そのおかげで、テント全体は他のシングルフープ型のように丸くなく、上部はわりと平べったい形をしています。
元々この形のテントが好きで、最初に目を付けたのは別の製品でしたが、換気性能に難点がありあそうだったのでさらに調べていくと、このテントに行き当たりました。
Starlightはメインポール(フープ)を丸くしならせるだけでなく、頂点に近いところで少し曲がったベンドポールになっています。
そのおかげで、テント全体は他のシングルフープ型のように丸くなく、上部はわりと平べったい形をしています。
両端を計4本のポールで立ち上げることで端の方でもある程度高さがあり、頭と足下の圧迫感を軽減しています。
インナーの短辺側両端にはメッシュパネルがあり、フライ側も開けることで空気が流れる構造。さらにフライの頂点にもベンチレーターがあります。
またドアパネル上部もメッシュです。
国内販売代理店の公式ページを見ると、寸法図が間違っていて一人用のStarlight1の画像になっています。
幸い販売店のほうで正しい図面が掲載されていたのでそちらを貼っておきます。
フロア寸法は間口が215cm。奥行きは両端が100cmで、中央部だけやや長い115cm。
実質215×100cmと考えていいでしょう。
2人で寝るには奥行き100cmは正直きついところです。
前室も決して広くないので、荷物はほとんど室内に置くとなると、実質一人用と考えたほうがいいと思います。
ちなみに一人用のStarlight1は奥行きが60cmなので、よほどストイックなミニマリストでないと辛いでしょう。
このモデルの特徴は、耐水性能が傑出している点です(後ほど比較紹介します)。
バックパック用テントとしてはやや重い部類ですが、悪天候が予想されるならいいチョイスになりそうです。
海外のレビュー動画でも強風の吹く荒れたコンディションでのものがよく見られます。
この動画によると、結露が多いこと、フライのベンチレーターをテント中から操作できないこと、サブポールが強風時に外れてしまったこと、ガイラインが夜見づらいことなどが指摘されています。
ちょっと手を加えればかなりよくなるけど、使い続けることはないだろうとも言ってますね。
ちなみにローベンスの公式ページは本国も含めて商品写真が少なくディテールが判りづらいのが残念です。
ローベンス Starlight2は、Amazonや楽天市場には登録されていませんでした。
Aurora Ridge 2P(ニーモイクイップメント)
Aurora Ridge 2Pの注目ポイント
-
独自のフレーム構成でとにかく中が広い
-
インナー生地は防風、撥水加工
-
インナーの4面にメッシュ、フライ2ヶ所のベンチレーター
-
弛み・しわが出にくくきれいに張りやすいカテナリーカット
-
フットプリント付属、インナーテントなしのシェルター使用も可能
こんな方におすすめ
-
耐水性能は並
-
横風をもろに受ける形状、ガイラインとペグの追加は必須
-
バックパッキング用には重い
今回調べた中で、いちばん興味をそそられたのがこのテントです。
正直いって、ニーモといえば本格的な山岳用テントのイメージがあったので、キャンプ初心者向けとはっきり明言しているこういうモデルがあるのは意外でした。
ひとめ見てわかるとおり、思いっきり箱形。
ダブルY型のフレームを途中で折り曲げることで短辺側の壁を垂直近くまで立ち上げ、さらにクロスリッジポールを入れることで長辺側も立ち上げています。
おかげで空間容積は抜群。
半面、ポールが長く生地の使用量も増えるので、重量は増えます。
また、風を受けやすい形状に配慮して、タイアウト用のループもしっかり用意されています。ただしガイラインとペグは最低限しか付属してないようなので、念のため追加で用意しておきましょう。
インナーテントは4面にメッシュパネルがあり、換気はそれなりによさそうですね。
インナーテントの生地はウィンドブロックという風を通しにくい素材。さらに撥水加工されています。
メッシュパネルが4面にあるとはいえ、夏場の快適性は気になるところです。
レインフライは短辺側の両サイドにベンチレーションがあります。
あとこのテントで気に入ったのが、生地のカット。
ペグダウン箇所を引っ張るのでその部分の延びをあらかじめ考慮した曲線(カテナリーライン)状に裁断されています。
弛みやしわが少なそうで、きれいに張れるんじゃないでしょうか。
全体のフォルムはボックス型なのにこういうところに気を配るニーモさん、すてき。
それから、初心者向けらしくフットプリントが付属しているのも好印象。
インナーテントなしのシェルター仕様でピッチングすることもできます。
特殊なバックルとか使っていないので、シェルター仕様で建てておいて就寝時にあとからインナーテントを取り付けることもできそうですね。
そうなるとタープを別に持って行かなくていいかも。
確かに重たいことは重たいんですが、一泊程度のキャンプだったらこれはいいんじゃないかと興味津々です。
3人用モデルもあるので、お子さんがまだ小さいご夫婦や荷物の多いカップルなんかはそちらでどうでしょうか。
スペック比較
最後に寸法や生地素材などのスペックをまとめておきます。
寸法と重量
モデル | インナー寸法 | アウター寸法 | 前室最大長 | 室内高 | 総重量 |
---|---|---|---|---|---|
クロノス1 | 220×100cm | 220×175cm | 75cm | 105cm | 2.2kg |
エリクサー1 | 218×83cm | 218×160cm | 76cm | 不明 | 2.16kg |
トレッカー 2UV | 210cm×135cm | 210×255cm | 60cm(×2) | 105cm | 2.6kg |
シーバー2 | 219×132(107)cm | 280×132cm | 61cm | 104cm | 1.81kg |
Starlight2 | 215×100cm | 240×175cm | 50cm | 95cm | 2.5kg |
オーロラリッジ2P | 223×132cm | 284×132cm | 76cm(×2) | 不明 | (2.35kg) |
アウター寸法(フライシートをした状態の外寸)をどう表記するか迷いました。
はっきり明記されているのはStarlight2だけです。
しかたないのでその他の製品については、単純にインナーの寸法に前室を加えた形で計算しています。
ビッグアグネス シーバー2はフロアが台形です。カッコ内は短い方の寸法。
オーロラリッジ2Pはペグ、ガイラインを含む総重量が不明です。インナー、フライ、ポールの最小重量をカッコ付きで表記しました。
マテリアル
モデル | フロア | インナー | メッシュ | フライ |
---|---|---|---|---|
クロノス1 | 70DナイロンT | 68Dポリ RS | 表記なし | 68Dポリ RS |
エリクサー1 | 68DナイロンT | 68DナイロンT | 70Dナイロン | 68Dポリ RS |
トレッカー 2UV | ポリOXF 150D | ポリ185T | ポリ ノーシーム | ポリRS 210T |
シーバー2 | ポリ タフタ | ポリ | ポリ メッシュ | ポリ タフタ |
Starlight2 | 75Dポリ 210T | 68Dポリ 190T | 表記なし | ポリ190T RS |
オーロラリッジ2P | 68Dポリ | 30Dポリ | No-See-Umメッシュ | 68Dポリ |
ポリはポリエステル、Tはタフタ、RSはリップストップ
キャプテンスタッグのトレッカー アルミテント 2UVは生地が際立って厚く、その分重いようです。強度はありそうですね。
ビッグアグネスのシーバー2は生地の厚みが表記されていません。
耐水性能ほか
モデル | ボトム | フライ | 特記事項 |
---|---|---|---|
クロノス1 | 2,000mm | 1,500mm | インナー、フライとも難燃加工 |
エリクサー1 | 10,000mm | 1,500mm | インナー、フライともDWRコーティング |
トレッカー 2UV | 3,000mm | 2,000mm | フライはUV加工 |
シーバー2 | 1,500mm | 1,500mm | ポールにDACプレスフィットを使用 |
Starlight2 | 10,000mm | 5,000mm | フライに難燃加工 |
Aurora Ridge 2P | 1,200mm | 1,200mm |
シーバー2とAurora Ridge2Pはどっちかというと整備されたキャンプ場などフロントカントリー向け。そのせいか、耐水圧は低めです。
それでもスペック的には充分な性能を持っていますね。
豪雨に強そうなのはローベンスのStarlight2です。その代償としてかバックパッキング用としてはやや重くなります。1人用のStarlight1だと1.7kgなんですが、個別解説で触れたとおり寸法的にちょっときついのがウィークポイントで今回は候補から外しました。
この価格帯になると個性的なテントが選べる
これは完全に私個人の嗜好ですが、テントは寝るだけじゃなくてある程度快適な空間を求めています。
もともとキャンプはおまけで、写真を撮るためのベース基地としてテントが欲しかったので、雨の中天候の回復を待ったり、機材の手入れをするだけのゆとりが欲しかったためです。
なのでテントも、リッジポールのないベーシックなダブルY型フレームはできたら避けたいという考えがありました。
今回のチョイスもまだその影響が残っています。
さらに今回わかったのは、この価格帯になると、激安中華テントに比べいろいろ個性が出てくるなぁということでした。
そんな中でも特に感じたのは、クロノスドームのコストパフォーマンスがよさそうだということですね。
国産の名の通ったブランドでフットプリントまで合わせても3万円未満というのは破格だと思います。