意外とうまくセットアップできたので紹介します。
諦めていた場所にハンモック
もともと、この場所にハンモックを吊るのは無理だろうと考えていたんですが、開拓のじゃまになる竹を思い切ってぜんぶ切ったら、案外ぎりぎりのスペースを確保できそうな気がしてきました。
そしてもうひとつの懸念が、ハンモックそのものです。
私のハンモックは、斜めに寝るアシンメトリカルタイプ。
しかも、足の部分にゆとりを持たせる特殊な構造で(詳しくは後述)、庭の塀にハンモックが当たって生地を傷めるんじゃないかと危惧していました。
しかし、竹を切ったことでいちおう設営が可能になったので試してみたところ、問題ないことが判ったという次第です。
これで、ふつうのテントとハンモック、ふたつの使い分けが楽しめるようになります。
ByerからBlackbirdへ
10年以上前(2010年ごろ)には、夏になると毎晩のように軒先でハンモック泊していました。
そのころ使っていたのは、バイヤー オブ メイン(Byer of Maine)のトラベルハンモックです。
今どきのハンモックとは違うクラシカルなタイプで、主だった特徴はバグネット付きという点くらいです。
バグネットはロープとフックで吊るすんですが、ロープがたるみやすくせっかくのネットが顔にかかってきて不快でした。
そこで2013年ごろに、アメリカから通販で新しいハンモックを取り寄せました。
それがのBlackbirdです。
生地の厚みと構造により数モデルのバリエーションがありましたが、当時いちばんオーソドックスに見えたBlackbird 1.7 DL(Double Layer)というモデルをチョイスしました。
今ではこのモデルは存在しないようですが、初期仕様のスペックをベースにサスペンションだけ改良したものがという名前で販売されているようです。
なお、1.7というのは生地の厚み・強度で、体重のある人向け。過去にはもっと薄い1.1や1.0というのもラインナップされていました。現在Original Blackbirdで使っている生地は不明です。
このBlackbirdが特徴てんこ盛りのユニークなやつなので紹介します。
Blackbird 1.7 DL (Double Layer)の記事(旧ブログ)
Blackbirdについては、旧ブログでいくつか記事をアップしていますが、久しぶりに検索してみたところいまだに日本語の情報はそれぐらいしか見当たらないようです。
とりあえずリンクを張っておきます。
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Blackbirdを受領したときの記事
ここでカラビナが同梱されてないのが発覚 -
開封時の記事
不足していたカラビナの注文について
Blackbird 1.7 DLの特徴
Blakbirdにはいろんな特徴が詰め込まれています。
ハンモックに対してまっすぐに寝るのでなく、やや斜めに寝るように設計されています。
ブラジリアンハンモックやコロンビアハンモックと同じようなタイプで、斜めに寝ることで背中が丸まりにくく、頭の位置が(ストレートタイプに比べて)やや低くなります。
2013年頃、このタイプのキャンピングハンモックはまだあまりなく、ヘネシーハンモックぐらいしか見当たらなかったような記憶があります。
2.バグネットつき
虫除けのバグネット(no-see-umメッシュ)が、ハンモック本体と一体になっています。
3.ビルトインのリッジライン
ハンモックの両端を結ぶリッジラインがセットされています。
これにより、バグネットが垂れ下がってくるのを防いでいると同時に、適切なテンションがかかっているかをチェックする目安となっています。
4.両サイドにタイアウト用ループ装備
ハンモックの両側を引っ張れるようにループとラインがあらかじめセットされています。
これにより左右の空間が広がり、リッジラインと合わせてバグネットが垂れ下がってくるのを防いでいるため、蚊に刺されにくくなります。
ガイラインを張るための手頃な木などがなければペグが必要となるので、そこはデメリットともいえます。
5.ハンモック一体の小物入れスペース)
ハンモックを横に引っ張るのを利用して、ちょっとした荷物(ペットボトルやタブレット端末など)を入れられるように、シェルフと呼ばれるストレージスペースが確保されています。
6.フットボックス
Blackbird最大の特徴がフットボックスです。
斜めに寝るとき脚が上がらないように、生地にゆとりを持たせ、脚を入れるためのスペースを作っています。
このため、Blackbirdでは寝る方向、つまり頭と脚の向きが決まっています。
入り口のジッパーも片側だけなので、設営のときは向きに注意する必要があります。
フットボックスの上部は、オリジナルBlackbirdではふつうのファブリックでしたが、1.7 DLではメッシュ化されています。
7.ジッパー
前述のとおりジッパーは片側だけです。
ダブルジッパーで、外側と内側にそれぞれ2つタブがあります。
7.ダブルレイヤー
DLモデルでは、ハンモックの底にあたる生地、いわゆるベッドの部分が2枚重ねになっていて、入り口側の2ヶ所は縫い付けられておらず、スリットになっています。
ここにはキャンピング用のマットレスやブランケットをセットできます。
マットレスを敷くことで背中が冷えるのを防ぎ、快適な就寝が可能になります。
アンダーキルトまでは必要としない時に便利な機能です。
8. サスペンションは2タイプ
Blackbirdにはサスペンションが付属せず、購入時に選択するようになっています(もちろん本体だけの購入も可能)。
ツリーハガー兼用のウェビングストラップをシンチバックルで固定するタイプと、ウーピースリングを使うタイプの2種類から選択できます。
シンチバックルはBlackbird初期型ではふつうのリング2枚を組み合わせたものでしたが、ずれてスリップしやすかったため途中で5角形のプレート2枚を組み合わせたものに変更されました。
私のはシンチバックル&ウェビングストラップタイプです。
ウェビングストラップは片側3.3mとかなり長くなっています。
なお、ウェビングストラップを木に固定するためのカラビナも別売りです。
私はブラックダイヤモンドのクライミング用カラビナを使用していますが、これは注文したのに同梱されていなかったためです。
Warbonnet Outdoorsへクレームのメールを送ったところ、すぐに返金に応じてくれました。
9. スタッフバッグ
収納袋は両側が空いたビショップサックスタイルで、どちらからも取り出すことができます。
袋にはかなり余裕があり、収納には適当にぐしゃぐしゃ突っ込んでいくだけです。
ウェビングストラップやカラビナがけっこうかさばりますがそれらもまとめて収納できます。
Blackbirdの弱点
Blackbird 1.7 DLは居住性を重視した、いわばラグジュアリー志向のハンモックですが、それに起因する弱点もいくつかあります。
1. ハンモック本体がかさばる
バグネット付き、さらに厚めの生地にダブルレイヤーということで、いまどきのハンモックに比べると収納時のサイズはかなり大きめです。
ウルトラライト系のバックパッカーにはこれだけで忌避されるでしょう。
それでも、現在でもバックパッカー向けハンモックのベストバイとしてチョイスされるようで、完成度自体はかなりなものと思われます。
2. ウェビングストラップもかさばる
片側3.3mのウェビングストラップ(1インチ幅)は調整しろが多くていいのですが、そのぶんかさばります。
とくに撤収のときは、「なんかムダに長げぇな」といつも少しうとましく思います。
3. シンチバックルが扱いづらい
Blackbird独自のホームベース型シンチバックルはテンションを掛けるときは簡単なんですが、緩めるのはやや面倒です。
バックルの2枚のプレートを片手にもち、反対の手はウェビングストラップの長さを調整しようとすると、2枚のプレートを開いてテンションを緩めるという操作がななか手こずります。
ここは近いうちにウーピースリングに交換する予定です。
4.ペグが(たいていのばあい)必要
両サイドを外に引っ張ることでバグネット内の居住空間を広げ、快適なスペースを確保しているわけですが、このメリットを享受するためにはペグを持ち歩かなければなりません。その分荷物が増えます。
レインフライ(タープ)も一緒に持ち歩くばあい、予備のペグでカバーしてくれると考えれば気にならないかもしれませんが。
泊地に適当な立木があればそこに張ってもいいですが、確実性を考えると結局ペグは持参することになるでしょう。
5. タイアウトのガイライン
横に引っ張るラインは、夜間出入りするようなとき引っかかりやすくなる可能性があります。
特にBlackbirdのことをよく知らないほとんどのキャンパーは、横方向にラインが張ってあるとは思ってもみないはずです。
安全のため蓄光式のガイラインなどを用意したほうがいいでしょう。
また、ハンモックに入った状態から、ガイラインをペグに掛けたり外したりという作業は当然できません。
ハンモック内からテンションの調整ができるギミックを考えてみるのもおもしろいでしょう。
6. お手軽デイキャンプ/ピクニックには不向き
上に挙げたような条件をまとめると結局こういうことになります。
ラグジュアリーで快適、を徹底追求したハンモックなので、ひょいとバックパックに突っ込んでお昼寝にでかけるような使い方を求めるのはまったくのお門違いです。
ペアになるライト系のハンモックが欲しくなります。
テストピッチでは問題なし!
Blackbirdの特徴をまとめてきましたが、我が家の庭に設営するばあい、フットボックスが塀にこすれて生地を傷めないかと、タイアウトからのガイラインをペグダウンするスペースがあるかの2点が問題でした。
竹を切ったことで、入り口側のタイアウトについては問題がなくなったので、試しに設営してみたところ案外上手く収まって、フットボックスの問題もなし。
これでBlackbirdを裏庭で使うめどが立ちました。
次は雨をしのぐためのレインフライ(タープ)が設営できるかどうかです。
変形タープを組み合わせてみる
Blackbird本体の設営は支障なかったので、次はタープをレイアウトしてみました。
写真のタープはかつてKerma(ケルマ・ヒマラヤスポーツの独自ブランド)で発売していたヘプタ(7角形)タープです。
ポール部分以外に両サイドで各3点、計6ヶ所をペグダウンする必要がありますが、変形タープが幸いして偶然にも庭木にまったく干渉せずに設営できました。
これがレクタだったら確実に庭木がじゃまになっていたはずです。
サイドの跳ね上げ用に、手抜きでこのタープのメインポールを使ったためかなり高くなっています。
開放感はいまひとつ
本来3~4人用のタープなので、ハンモックで使うには大きすぎます。
幕と就寝位置が近いため、雨を防ぐという目的は充分以上に果たしてくれそうですが、ハンモックに横たわりながら周りの景色を眺めるような楽しみ方はできません。
そもそも、裏庭テントサイトですから、本格的な雨風を避けるには家に逃げ込めばいいわけで、ここまでの大きさはいりません。
就寝中にちょっとパラッと来る雨を凌げれば充分です。
もっとコンパクトで、ハンモック内からの視界がよく、目覚めに朝の風景を楽しめるようなものが欲しくなりました。
真夏のハンモック泊に一歩前進
というわけで、幸いにも裏庭ですぐにでもハンモック泊ができそうなのが判りました。
後は最低限の雨対策ができるタープ/レインフライが欲しいところです。
また夏場でも常時ハンモックを設置できるように、いずれは防水、防UVのハンモックスリーブを購入しようと思います。